テルデンタルクリニックについて

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インプラント治療

歯周病との関係も
忘れてはならない治療

人工の歯で
本物の歯のように噛める

インプラントとは“植える”という意味で文字どおり歯の抜けた部分の顎の骨に人口歯根を植えつけて支柱とし、その上に支台部(歯を直接支える部分)と人工の歯をしっかり固定する方法です。

インプラントは生体親和性が高いチタンで造られています。骨とチタンの結合はオッセオインテグレーションと呼ばれ、スウェーデンのブローネマルク教授が1952年に偶然発見して以来、13年に及ぶ基礎研究を経て、1965年、初めて臨床応用され、世界中に広まり、今では140万人を超える患者様に適用され、有効性と安全性が確認されています。

治療後に発生する問題

  • インプラント周囲粘膜炎
  • インプラント周囲炎

私が勤務していた大学病院には「インプラントがぐらぐらして痛くて噛めない。」、「インプラント周囲の歯肉が腫れて血が出る。」といった症状を訴える患者様が来院されておりました。そのような患者様を検査してみますと以下の原因があります。

  • 【1】インプラントを埋入する位置や方向に問題がある
  • 【2】インプラントに過剰な噛む力がかかっている
  • 【3】インプラントが歯周病に罹患している

近年のインプラント治療は「早い」、「安い」、「痛くない」という本質からはずれた方向で普及しています。
抜歯してすぐにインプラントを埋入する方法、歯肉を切らずに骨を見ないでドリルで穴を開けていく術式などが流行しています。抜歯後すぐにインプラントした方がよい場合もありますし、歯肉を切らない方が出血や痛みが少ないかも知れません。これらの新しい手法はすばらしいと思います。
ですがどうでしょう、経験の少ない先生が基本を踏み外すと埋入位置や方向を誤りやすく、手術時の手違いが致命傷になり、早期にインプラントの脱落を招く原因となっています。また通常の手術でも7割の患者さんが鎮痛剤さえ飲まなかったというデータがあります。

本来のインプラント治療とは

インプラント上の歯を作る場合、仮歯を入れ、口の中全体のバランスを考え、よく観察し、最終的な歯を作っていかないと過度な咬合力によってインプラント周囲の骨がなくなるばかりでなく、噛み合わせの歯も失うことがあります。ですからインプラントの本数が多くなると仮歯を2度、3度作り直すため治療期間が長くなる場合があります。

また、インプラント上の歯を白いものにした場合は破損することがあります。骨に埋まっているインプラント本体がしっかりしていれば何度でもやりかえられますので、それは失敗とはいいませんが、奥歯の噛む面はできれば金属にしていただければトラブルは少なくなります。

インプラントは本来十分な検査や診断、そして期間と技術が必要な分野です。決して安易に行われるべき治療ではないことを理解してください。時にはブリッジの方が審美的に優る場合があることも承知していただき、適応症について臨床経験豊富な私たちとよく相談して、長持ちするインプラント治療を選択してください。

歯周病と
インプラントの関係

川﨑 文嗣
  • 歯学博士 / 日本歯周病学会専門医
  • 日本口腔インプラント学会専門医
  • 鶴見大学非常勤講師
【掲載論文】

|インプラント学会優秀論文賞受賞|

  • ・メインテナンス期におけるインプラントの細菌学的検索の
    有用性(日本口腔インプラント学会誌 第15巻 第4号)
  • ・インプラントの周囲溝への歯周病関連細菌の伝播
    (日本口腔インプラント学会誌 第18巻 第4号)
  • ・アジスロマイシンを用いたfull-mouth SRPのインプラント
    周囲炎に対する効果(日本歯周病学会誌 第51巻 第4号)

私は3名の大学院生と共に12年間にわたり歯周病とインプラントの関係について研究をしてきました。歯周病を引き起こすのは「歯周病関連細菌」と呼ばれる数種類の細菌ですが、これらの細菌がインプラント周囲炎の原因になり、また、残っている歯からその細菌がインプラントに移り症状の悪化とともに細菌叢が変化してくることを突き止めました。

ですから、インプラントをする前に歯周病の治療をきちんとしておかないとインプラントも歯周病に罹患し周囲の骨が失われていくのです。インプラントは歯周病の管理ができてはじめて行える治療です。歯周治療の手技をマスターしていればインプラントの周りの歯肉を自然な歯に近づけることができます。つまり美しい歯を蘇らせるのは技工士さんだけの力ではなく、歯肉を形成できる歯周病専門医なのです。

インプラント治療の流れ

  1. 1全身検査

    問診を行います

    局所検査

    口腔内診査、補綴学的診査画像診査を行います

  2. 2診断

    現在の口腔内の状態を確認し、
    インプラントが可能かどうか判断します。

  3. 3治療計画

    術前処置(歯周治療1、歯内治療2、GBR3など)は必要かどうか判断し、埋入法、埋入部位、治療期間、費用などをお伝えします。患者様には十分に治療内容を理解していただき、インプラント手術を行っています。

  4. 4インプラント埋入手術

    1回法の手術の場合は、大きめの蓋を取り付け、お口の中にその蓋が見えるようにして手術を終了します。

  1. 5印象採得

  2. 6上部構造物の作成

  3. 7上部構造の装着

  4. 8メインテナンス

※1 歯周治療
歯周炎を引き起こすのと同様な細菌生育環境がインプラント周囲炎を引き起こします。歯周病に罹患している患者に対してのインプラント治療を成功させるためには、徹底的な歯周病原細菌の除去と炎症のコントロール、プラークコントロールしやすい口腔内環境をつくり出すことです。インプラント治療に先立ち、歯周治療を行わなければなりません。
※2 歯内治療
インプラントに影響を及ぼしそうな部位に、根尖病巣をもった歯があれば、インプラント治療に入る前に歯内治療を施す必要があります。
※3 骨増生法(GBR : Guided Bone Regeneration)
インプラントに埋入するには十分な骨の量(幅、高さなど)がない場合、あるいは解剖学的な制約(上顎洞、下歯槽管など)がある場合、インプラント治療前に骨量を増やすことにより、それらの問題が解決できることがあります。